森下圭子さんのムーミン講演会を聞いて考えた事②

トーベ・ヤンソンという作家を、身近に引き寄せようとすればするほどテレビ化には無理が感じられた。

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『小さなトロールと大きな洪水』より


井上ひさしに共感するところはあったが、出版時から私はムーミンという作品に深入りしてしまっていたのだ。投げ出したくなかった。なんとしても番組化を実現させたかった。プロとしても・・。

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いずれも『ムーミン谷の彗星』より

絵一つを例にとっても、ムーミンの湾曲のない長い顔はトーベ・ヤンソンにしか描けない。魅力的だがこのまま表情を付けると長い顔ののっぺらぼうが話すことになってしまうので、アニメの動物を擬人化する方法を使って目の下に湾曲をつくることで、生きた表情表現を獲得。作画上の難点を一つ解決した。

あとはコンテンツと設定である。

分析してみると、ムーミンの魅力には多面性があることが分かった。

例えば原作には北欧の厳しい冬ばかりではなく、期待と憧れ、現実以上の太陽の明るさ、花咲く南欧風の暖かさがあった。

孤独に耐えるキャラクターたちにも、人との触れあいの楽しさがムーミン谷にはあったのだ。

つづく

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